第0009回 (2004/09/24)
件名:(9)矯正医からの質問      (栃木県開業)
 うまく行っていないケースに対して、成る程と思う点が多々あります。
ただ、矯正用ゴムで顎位が簡単に改善するケースも多く、咬合の悪さから顎位の悪化を招く場合もあるのではないかと思います。
この両者の差を御教授ください              栃木県 矯正歯科院長

=返信=

○○先生、確かに実際の治療直後の結果はご意見の通りと思います。
ここで、次の点を考える必要があります。

まず、大学や学会ではどうしても成功例を発表するので、治らないケースは例外として論じられなくなり、予想まで導けないケースは何々の悪癖の為・・となっています。

この成功例以外の原因を先生もご理解されたわけですが、では、
顎位が顔面頭蓋に対して前後左右過不足なく & 顎骨も十分に大きく成長した場合に、咬合が乱れることが有り得るか?という点はどうでしょう。 
誰が考えても無いのです。つまり、咬合を悪くした原因が先に存在するのです。

乳歯の晩期残存による崩出遅延だけで上顎骨の正中が歪んだり、顎位がネジれたりは力学的に有り得ません。うつぶせ保育の場合も顎位の悪影響が明らかに先です。

私も15年位前までは口腔内しか診ていなかったのですが、まず、矯正初診患者さんの殆どが耳鼻科の病名も持っている事に気付きました。
また、矯正以外の咬合治療も25年位前の患者さんは、治療後3年や5年では崩れてはこなかったと感じていました。 

結論はHPに記したように、車社会になってからの現代人は、片足瞬間時の重心が前へ弱くなってきています。
スギ花粉に対する鼻粘膜能力も、アレルゲンに対する皮膚能力も、この前重心からの結果です(最後にコメントします)。

ご質問の、矯正用ゴムでアゴ位置が簡単に改善する場合ですが、最も要注意と言えます。
脊柱は積み木崩しのようにバランスを取っていけるのですが、アゴが簡単に、取っていた方向の反対へ応じるのですから、脊柱全体に縦荷重がなく、将来も何かあれば簡単に変わるという理屈になります。 実際に、将来の悪化量が大きいでしょう。

左右のついてですが、リテーナーは右上と左下が緩くなってくる患者さんが多いはずです。
保定中で咬合がおかしくなってきているなぁと、今度感じたら、眼に対して上顎骨の形を見てください。  
そしてタッピングをチェックして下さい、右が強いのが判ります。
それは、矯正用ゴムを行った反対方向だと判ります。

矯正医はご自分の患者さんの、治療後5年や10年の咬合を診る機会がまず有りません。
だから、気付きを遅らせていて、可哀相ですね。
患者さんは、右側が虫歯などで痛くなったら一般歯科へ行き、手入れの問題だと言われ、以前の矯正治療との因果関係を分かるはずもなく、自分でも手入れが合格とは思っていないので不正解の納得をしている、これが現実です。

矯正治療後の一般的なその後は、右への顎運動で負担増の歯から、負担増⇒動揺⇒歯周病⇒短命になっています。
一般歯科で、原因は歯槽膿漏と言われ、冠せる治療を受け、歯の寿命を減らしています。

歯槽骨が弱い原因に、頸椎も関連しています。
アゴバランスが右ズレしている状態は、頸椎の前にある呼吸ライン(気道)も右ズレしているからで、就寝時の呼吸は口を結んだ鼻呼吸ができません。
半開きの口呼吸をして寝ているわけですが、口の中の乾燥度は鼻呼吸と比べてかなり高くなります(起床時に舌が乾いているetc)。
骨も歯も歯肉も細胞で出来ていますから、65%以上が水であり、水分が強度を保っています。 
24時間のうち睡眠時間は乾燥しているのですから、口の中の組織はどれもが弱くなっています。

歯槽膿漏より重要な問題は、体全体の免疫力が落ちることです。
現代人の特徴である頸椎1番の前ズレは、その前部の気道を狭くするので、鼻呼吸量を減らし、鼻の奥にある白血球を造る扁桃リンパ帯に酸素が行き届かない状態を招きます。

歯科よりもっと治っていない耳鼻科・皮膚科などの疾病、体や精神の疲れに対する抵抗力の低さ等に、直接関与しています。
                                 
三ア公晴
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