第0015回 (2004/12/12)
件名:(15)外科や抜歯しないで矯正できる?    (石川県在住)
 アゴが前に出ていて、曲がってもいます。
アゴの外科手術を予定した矯正治療を始めました。 抜歯は下2本の予定です。
先生の治療では、手術しなくても治るのでしょうか?               石川県在住

=返信=

○○様、私も、アゴの位置が自然に全く変わる事を確証するまでは、同様の治療を行っていました。
確証後の治療は、全ての矯正治療を抜歯しない内容で設計しています。 

当然ですが、アゴの位置が正常化するから可能なのです。(「矯正・当院だけのメリットページ」に写真を出してあります)
上顎骨の右への変形が大き過ぎるために、左上の1本だけの抜歯を相談する場合が、ごく稀にあるぐらいでしょうか。

また、アゴの見た目の曲がりや・長さがすでに過成長で長いので、アゴ骨の削合を希望される場合もありますが、この場合も正常化したアゴの位置では、抜歯しない治療でも、ある程度満足する結果 (私は不満足だけど御本人が満足と仰る程度の見た目)を得られます。 
ただ、10代でのアゴ過成長が強い方は、見た目のために抜歯はしないアゴ手術は行ってもよいと思います。


上も抜歯しない設計が原則ですが、下の抜歯だけは絶対に禁忌です。 
アゴ手術の最大の問題は、アゴを奥へ付け替える訳ですから、アゴの内側の軟組織 (舌や甲状腺etc) のボリュームが下方へイジメられる (白血球産生不全になっていく危険) という事です。
抜歯で歯数が少なくなれば、更にボリュームはイジメられてしまいます。
(同ページに図解を出してあります)

さらに、機能が形を造っていく (老人の背骨でも、テニス肘でも、狼少年でも) という大原則が生物にはあり、下突を造ってきた機能が実際は残っています。
つまり、呼吸後に咬んでいくアゴの位置のことで、再び下突傾向を全症例で認めます。

手術後数ヶ月ですでに、また傾向が出てきている(見た目も出てきている)患者さんは結構多いのですが、歯科医は口の中しか診ないので、手術後の固定が甘かった(固定期間が足りなかった)としか診えないのです。

見た目はそんなに悪化していない場合も、手術前にアゴが偏っていた側(98%は右)の歯は、治療終了半年後には必ず動揺や磨耗を始めています。 
これも、口の中しか診ていなければ、矯正装置の力加減の問題や、歯槽膿漏傾向としか診えないのです。

上記の白血球の問題は大事です、鼻か喉か皮膚か甲状腺などに負担を受け、症状をかかえてしまった方を多数見てきました。
歯科医は気付いてさえいません。 
だから気道の左奥への改善なしに手術するのは、見た目だけは変わりますが、治療期間や費用に見合う価値などありません。


以上の理由から、当院の基本は、アゴの手術も・抜歯もせずに、本来のアゴ位置に戻した上での治療 (矯正治療以外も同じ)になります。
                   
三ア公晴
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