第0025回 (2007/04/18)
件名:(25)歯科治療だけでも長期安定可能では?  (東京都開業)
長期安定症例を多数もっています。
咀嚼筋や舌の筋機能リハビリを中心に良好な頭蓋骨改善を認めています。
歯科医は口腔周辺で十分対処できると思うのですが・・・・。
                                  (東京都 矯正医)

=返信=

先生の症例は拝見したことがあります。一般的な歯科医に比べて、筋肉が正常化しないと歯科治療は無意味という内容ですから、とても素晴しいと思います。

私が論じている移動時の重心問題は、その主役を脳のバランス中枢(脳幹に在り)が担います。
口腔周囲筋のリハビリも、大脳(脳幹ではない)に対する刺激効果は考えられるのですが、そもそも筋肉のリハビリが必要な本の原因が、重心の問題です。

仮に、舌の筋トレなどで、筋肉が咬合状態や呼吸ラインを正常化したとします。
後日、患者さんが立った姿勢・座った姿勢・寝た姿勢で胸鎖乳突筋の左右太さの差を各々触ってみて下さい。
生体はバランスをとるのです。
この筋肉の変化は、自律神経が脳幹の指令を受けて行っています。

たとえば足首にかかる重心方向の神経疲労が進行した場合、脳幹は口腔周囲筋をまた右へズラして、信号(知らせるための)を出そうとします。
信号を出して知らせるのも、脳幹の役割ですから。
先生もなかではそういう結果の患者さんの御経験があるはずです。

口腔内の金属腐蝕が脳神経バランスに与える悪影響も最近では論じられるようになってきました。
つまり、総体的に神経疲労という問題を考えねばなりません。身体的な神経疲労も精神的な神経疲労も、すべてを脳幹は記憶するように出来ています。

だから、見た目に長期安定している患者さんは、そういう問題(右前重心進行や神経疲労)が少なくて良かったねということになります。 逆に言うと、左足首(にかかる重心)次第で右へ顎位悪化する要素をもった長期安定とも言えます。

ただ、長期安定と謳っている治療のほとんどはそうではありません。
先生のように筋肉を主にした好成績の治療は稀で、当HPに示したような咬合変化を下記の如くしているのが現実です。そのことを歯科界も患者さんも知らねばなりません。

まず、上顎と下顎の咬んでいる見た目はそんなに変わっていないというだけで、たたえば上顎骨自体が眼窩などに対して右変形してきているかは、歯しか撮っていないので確認できません。
が、右下の歯肉退縮や、右側の歯がその後に虫歯・歯周病の再治療を受けたり、下の正中が右にズレていたり、レントゲン上で右側の骨量減少が撮っていますから、上顎骨も右変形してきているのだろうと考えられますし、実際は再治療も骨量悪化もしているわけです。
そういう内容を、長期安定症例と言うのかどうかは判りません。

私の考える長期安定というのは、舌筋・呼吸筋ふくめて、加齢と共に何が起きても、右前重心の反対=左奥歯が最も強く咬める状態に戻せるような、その方にあった自律神経活性法をみつけてあげることです。

三ア公晴
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