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5.インプラント ~ 現在の治療法の欠点~

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インプラント以外の歯が弱くなっていく理由

2~3本のインプラント希望で来院される患者さんの殆どが、Aのようなアゴズレが原因で弱くなってきた側がご希望の場所です。
やはりアゴは右に低くバランスをくずし(B)、スリ減り運動を行うので右下奥歯2本はかなりスリ減り、グラグラになっています(B')。右側は他の奥歯も、動揺しています(A')。
このアゴバランスをこのままにして、右下奥歯の2本だけをインプラント治療するのが通常の歯科治療です。アゴバランスでダメになってきた歯達なのに、インプラントなら大丈夫ということはありません。インプラントが強固に治療できれば、インプラントの相手の歯が更に弱くなっていきます
これを避けるために、右奥2本の咬合調整をすればインプラントの手前の歯が弱くなっていくだけです。それを治療しても今度は・・・と、アゴバランスを左奥に戻さなければ負担を受ける場所は残るのです。

(A)

(B)


(A')

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(B')

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ダメになるインプラントもアゴの右運動

この方は、右下奥歯のインプラントとその手前の白く冠せた歯の歯グキが、白い膿を出して腫れてきました。
やはり前歯の特に犬歯に大きい磨耗があります(C)。咬合はやはり右前歯が強く当たり、そのバランス調整のために右上前歯の歯肉が赤く腫れるほどのスリ減り運動を行っていることが判ります。
4|3|スリ減った形態が相手の歯とピッタリ形が合う位置までのスリ減り運動を行っていることになります(D)。

(C)

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(D)

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アゴは右前へバランスをくずした傾きをしており(E)、下から見た咬合(G)も右前が強く当たる状態が続いていた事を右上の骨形態や右上前歯の歯槽膿漏が示しています。
奥歯の金属の部分的に光っている所(E)は、本当は前歯のようにスリ減りたい部分なのです。

歯科材料は自分の歯ほどスリ減れないので、歯肉を切開してみると(F)犬歯をこれだけスリ減らしてきた力が骨を壊しています
悪化を止めるには、アゴバランス位置を左奥が最も強く当たるように左奥へと戻すしかないのです。
(G)のアゴバランスのまま歯科治療しても、必ずトラブルが再発します。

(E)

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(F)

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重心を司る中枢に変化を与えていくと、左奥が最も強く当たるようになってきました。|23|23 に咬んできました(H)。
見た目ではこれだけの変化でも、右上前歯( 32|32|)の咬む時の当たる強さがやさしくなると、スリ減り運動をしなくなるので歯槽膿漏も改善していき( 54321|部)、骨の出た感じさえも変わっていきます

(G)

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(H)

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上の前歯のインプラントは最も注意を

右前歯が強く当たるまま月日が過ぎると、この方のように(I)→(J)→(K)の如く年々骨が壊れて、歯も移動してしまうのが判ります。
1|1 は前方へ、 32|は外側へ押しやられている故の変化です。
咬んで左右運動をしてもらうと既にグラグラです(L)。
以前からの冠をはずしてみると、ご自分の歯の土台に向かって右前へ強く咬んでしまいます。そこには冠の厚み分の隙間などありません(M)。
このアゴ位置で磨耗運動を行っていたのだから上前歯はたまらないはずです。

(I)

(J)

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(K)

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(L)


この前歯の部分にインプラントをするのですから、アゴバランスをしっかり奥で止めねばなりません。通常の歯科治療では、奥歯の冠の高さを高くして、前歯にインプラント治療します。歯では止められない事は、(I)→(J)→(K)の変化が示しています。右前へのアゴバランスが今度は奥歯からグラつかせるだけです。アゴバランスが前方へ大きく問題のある方は、足首の前後重心に問題が発生しています。(ページの「横から見た改善」を参照下さい」)

 

(M)


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(参考)
上前歯のインプラントはCTの三次元画像で骨形態の把握が重要です。(レントゲンでは骨の壊れている高さしか判らない)


重心中枢に変化を与えて、左奥が自然に強く咬めるようになった状態です(N)。
自らアゴは右前へバランスをくずすことがなくなったのが重要で、今後の心配もなく上前歯にインプラント治療をしました(O)。

(N)

(O) 治療終了後


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殆どの歯がダメになった場合も右へこわれている

アゴの右前バランスでのダメージが長期にわたると、この方のように全体の歯が力の方向へ壊れています
前歯の骨は上下共に右低で、上は右側が外に出た形にもなり、だから歯も右低の軸になりながらグラグラしています(A)。
下前歯の右側はページの60代症例と同じ理由の運動によって上に引っ張られ(B)、奥歯は右側が上下共に外側に倒れてきていて(A)(C)、左側は上下共に内側に倒されています(A)。

(A) 初診時

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(B)


(C)

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(D)初診時レントゲン


(D)のレントゲンの如く、殆どの歯は骨を失い抜歯なのですが、少なくても上の前歯と左奥歯はインプラント治療しかありません(右奥歯だけ残した入れ歯は安定しないので)。
左上奥歯の骨はインプラントを植立する高さもないので、骨の増量手術も必要です。

下奥歯も左右共に、使える歯がなくインプラント治療を行うべきなのですが、費用の関係から上の歯2本を、下の左右奥歯へ1本ずつ歯の移植手術をして、上下共に入れ歯にならないような修復を設計しました。

(E)違う角度からの骨の形や骨密度を検査して、方向・長さ・骨を増やす量を設計します。

(F)当院のOpe室です。


インプラント治療を行う医院で、上顎の骨増量手術や、CT撮影によるコンピューター設計(E)、手術室の完備(F)などにおいて、まだまだ未対応が多いのですが、それより更に重要なのは治療するアゴバランスです。

インプラントは歯より強いのですが、歯の倍は強くありません。よって設計本数は、
自分の歯が上下それぞれ14本あったのに対して、全歯が抜歯になってインプラントする場合、骨密度の弱い方は下顎で8本、上顎で10本が安全のために必要です。
それでもアゴバランスが変わっていないならば、インプラントでも負担を受けていき失敗例となります。インプラントと骨の結合を待っている仮歯(G)の期間に、アゴバランスの左奥への回復が最重要となります。

(H) 初診時の顎関節骨密度
  

(G) 仮歯期間にアゴを左奥へ

(I) 改善後の顎関節骨密度
  

左奥が強く当たるようなアゴバランスになってくると、左の顎関節は(H)から(I)のように骨密度が増してきます。(H)の状態は、アゴバランスが右前へゆるみ、いかに左顎関節へ負荷がかかっていなかったかが判ります。

治療終了時です(J・K)。左奥が強く咬めるアゴバランスを維持しているかが、今後のリコール(定期点検)のポイントになります。アゴの筋肉状態に直接関与する頭蓋骨と頸椎のバランスが、とても改善(M)しています。初診時(L)は、アゴバランスをかなり右へくずす状態だったのが判ります。

(J) 治療終了時

(K) 治療終了時


(L)初診時の首レントゲン

(M)改善後の首レントゲン


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手術がうまくいけば、それでいいのか?

初期にダメになるのは手術がうまく行かなかった場合もありますが、 何年か使っていたのに弱くなってきた場合はアゴバランスしかありません
N・O は、左側奥歯が上下ともインプラントの患者さんです。 右上前歯と左上のインプラントが痛いと、来院されました。

上の骨の右側が外へ、そして下にのびる形へ変形させられています。 アゴバランスは右が低く、右上前歯のウラを右前へと強く叩いている状況です。

(N)

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(O)

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右上前歯は歯肉の色で示しているように、中の骨は壊される力を受けていて、変形までさせられているのですから、左奥インプラントは上顎骨とアゴの距離が以前より低くなってきており、そのため以前の高さが合わず、負担がかかっているのです。
そもそも、このアゴバランスの問題で、それ以前に左側上下の自分の歯がダメになったのです。

インプラント治療を行う歯科医院のほとんどで、残念ながら、こういう診方はしてくれません
唇を上に持ち上げて、顔とアゴの位置関係を診れば、なぜ痛いのか判るのですが、汚れに対する手入れを診るだけですから、助かる場合もダメになります。 この方の場合も、重心中枢変化でアゴは左奥に戻りました。

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